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【エッセイ】いつものお菓子になっていく

 

どこの家庭にも“いつものお菓子屋さん”があるのだろう。

 

私が子どもの頃のそれは、

季節のフルーツを使った生ケーキやクッキーなどの焼き菓子が並び、

少しだけカフェ席が用意されている小さなお店だった。

季節のイベントにホールケーキを買うのはもちろん、

甘いものが大好きな私と母は、

週末に二人でお茶に来ることもあった。

特に、この店のイチゴタルトはタルト生地にチョコレートが薄く塗られていて、

絶妙なアクセントになっていて大好きだった。

クリスマスのケーキも特別メニューとして加わるビッシュ・ド・ノエルではなく、

イチゴタルトをホールで注文するのが我が家の定番であった。

 

けれど数年前、そのお菓子屋さんはなくなってしまいとても残念だった。

家族の誕生日やクリスマスが訪れる度に思い出すあの店のイチゴタルト。

私と同じように、町の人たちも寂しい気持ちになっているのではないだろうか。

お菓子屋さんは心も満たす存在なのだと、このとき知った。

 

 

友人が、今年の3月にお菓子屋さんを開いた。

柔らかな物腰のパティシエのご主人(ケーキを仕上げているキリッとした表情のギャップは必見!)と、

いつもにこにこ、お菓子が大好きな友人(揺るがぬ「好き」を追う、アイデア担当!)

のお店は、その名も「佐野菓子店」。

白い暖簾が目印の生ケーキと焼き菓子を販売しているお店だ。

 

 

                                           (タルトフレイズ)

 

 

 

イチゴのショートケーキは、お店のロゴマークをモチーフにした四角いクッキーでおめかし。

イチゴのロールケーキは、これまで見たこともないような、ふわっふわっのまんまる!

タルトフレイズは、お城のようにも冠のようにも見えてファンタジーが詰まっているよう…
そんな何とも愛くるしいケーキたちがショーケースに並ぶ。

 

 

タルトフレイズを頂いた。

「あっ」、私の記憶のカケラが反応した。

タルト生地にはチョコレートが塗ってあった。

「このチョコレートがあるのと無いとでは、全然味わいが違うの!」と友人は言う。

懐かしくて、新しい味と出会った。

 

 

オープン間もない佐野菓子店には、お祝いの花が所狭しに並んでいて、

二人の人柄を物語っているようだ。

お店へ遊びに行ったとき、

若い男性客が自分の分であろうケーキをひとつだけ買っていて嬉しくなった。

 

 

新しい佐野菓子店のお菓子が、

長くこの町の人々の暮らしに寄り添い、

いつしか“いつものお菓子”となりますように。

 

 

・・・・・

佐野菓子店

〒417-0055
静岡県富士市永田町一丁目15番地中村ビル1階
営業時間 10:00〜19:00
定休日:不定休 *Instagramでご確認ください → 

 

・・・・・

佐野菓子店さんのオープンとRe:common wordの創刊は同じ時期でした。

お店のあれこれ、コモンワードのあれこれを会うたびに佐野さんと話し、

制作中に悩んでいるとき、「佐野夫婦もがんばっているんだ!」と自分を奮い立たせ、

出来上がって一番に設置させてもらったお店です。

 

新たな地で始まった佐野菓子店。多くの方々を笑顔にしてくれるお店だと思います。

ぜひ、遊びに行ってくださいね。

 


 

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